朝日放送テレビ株式会社様に、超低遅延 4K60p対応 IP KVM エクステンダー「Matrox Extio3シリーズ」をご導入いただきました。
同社の神田様に、ご導入の経緯や、採用の決め手などをお聞きしました。
通常はどのような業務をされていますか?
メインの業務は放送運行です。合わせて放送設備の保守管理や災害時等緊急放送対応、一部SwitcherやMixerといった生放送での機器オペレートも行います。また今回Extio3を採用したように、設備更新時など業務効率につながる機材選定も行います。
どのような課題があり、KVMの導入を検討されたのですか?
限られたリソースを最大限に活用するために、設備と人とをより効率的かつ柔軟に結びつける仕組みが必要でした。要するにリソースシェアリングと集中管理による効率化です。
具体的には主調整室(7階)とサーバールーム(5階)に設置されている「データ放送設備 強制表示オペレート端末」二式を複数の副調整室(サブ)から制御することが目的です。
この設備は報道番組を扱うNサブ(7階)、野球をメインとしたスポーツ番組対応のGサブ(7階)、そして情報番組を扱うCサブ(9階)、それぞれのサブから制御・管理が必要でした。
しかしそれぞれの副調整室内に端末を設置するのは埃などの設置環境やスペース確保の問題があり、保守のたびに各サブで対応するのも非効率でした。そのため、KVMを導入し、これらの課題を解決する必要がありました。
【右図】Extio3を使用したシステム構成(※画像をクリックすると拡大表示します)
多くのKVMがあるなかで、なぜMatrox Extio3を採用されたのでしょうか?
まず選定を始めた当初、Matroxとその代理店ジャパンマテリアルが、実際にMatrox Extio3を弊社に持ち込んでくださり、直接触ったり見たりできたことがよかったです。
実際、どの機材でもそうですが、機材比較をすると、それぞれのホームページやカタログには似たような、時には同じ言葉が並んでいて、判断のしようがありません。例えば「低遅延」とか「高品位」という言葉は、実際にモノをみなければわかりません。この点、Matroxとジャパンマテリアルは速やかに弊社の要望に応えてくださり、機動的にデモと評価機の用意をくださったことが大きな要因となりました。
機能的には「低遅延」ということと「複数箇所からの制御への対応」ということが鍵になりました。
Matrox Extio3の「低遅延」は、ネットワーク環境に拠るものの「ゼロ遅延」と呼んで良い感覚で操作でき、遠隔制御でありながら制御にともなう違和感がありません。それから「複数箇所からの制御への対応」という点においても、分かりやすいルールで動いています。どういうことかというと「後から制御したほうが強い」というルールです。
例えばAさんがCサブからExtio3経由である機材を制御している際に、BさんがGサブからExtio3経由で同一機材に後から制御を開始した場合、Aさんは制御できなくなり、Bさんの制御が優先されるという仕組みです。
今回比較した他社品はこのような複数制御で同一機材へアクセスした場合、オペレータが直感的に理解できるルールではなく、混乱することが予想されました。
あとは安定性と金額になります。
安定性は絶対不可欠な要素であり、もしKVMが不安定ということがあると、効率化ではなく非効率化を促進することになります。Matrox Extio3は弊社評価を通じてその安定性が際立っていました。
またマトリックスという概念自体が存在しないため、マトリックスサーバーの購入が必要なく価格的にも手が届きやすいと感じました。1Gの帯域で4K解像度のKVMが可能ということで、今後導入数を増やすことを考えても、コストメリットが見込めます。
これはMatrox社の独自圧縮技術によるところで、安定性にもつながっていると聞いています。
今後の見通しについて教えてください
まず、実際の運用を通じて、別の使い方も検討が可能と思います。例えば中継先とサブをVPNで遅延なく高品位なKVMを実現できれば、出先に機材を持ち出す必要がなくなるなど、さまざまなメリットが考えられます。
会社紹介
Matrox Extio3について
『Matrox Extio3』は世界初の4K60P 4:4:4対応 IP KVMエクステンダー。4K60Pだけではなく、HD映像を4チャンネル同時伝送にも対応しています。
高画質ながら低ビットレートで配信。ネットワーク帯域を効率よく活用します。送信機と受信機の接続をネットワーク上でスイッチングも可能。低遅延を実現し、遠距離からキーボード・マウス操作をレスポンス良く操作可能です。
製品の情報はこちら:Matrox Extio3
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