映像を配信(ストリーミング配信)したい

ストリーミング配信とは、ネットワークを介してコンテンツを送信する映像伝送技術のひとつです。
ファイルを視聴者側でダウンロードするのではなく、データを小さなパケットに分割して送信するため、視聴側はダウンロード時間を待つことなく、すぐに視聴できます。
モバイル端末やディスプレイなどを用いて、遠隔地や複数拠点に高画質かつ低遅延で映像を伝送できます。遠隔地と安定したコミュニケーションを行うことが可能です。

主に利用されるシーン

eスポーツ コンサート・イベント オフィス
 教育機関 放送局 など

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特定の拠点間で映像を配信するケース

LANやVPNなどの特定のネットワークを利用して、1つの映像を単一や複数の別の拠点に配信したり、配信した映像をモバイル端末で視聴することも可能です。社内や校内など、範囲を限って映像を配信したい場合に最適です。
視聴は、各拠点のディスプレイに表示したり、同一ネットワーク上のPCで再生できるほか、YouTubeライブなどのWebサービスを利用してスマートフォンやタブレットでも再生できます。

特定拠点間ストリーミング配信のしくみ

高画質映像の遠隔映像伝送に不可欠な機器が「エンコーダー」や「デコーダー」です。
「エンコーダー」とは、映像伝送に適した形式に変換する機器で、「デコーダー」とは、が変換されたデータを動画再生のため元の形式へ戻す機器です。

ストリーミング配信でよくあるご相談

ご相談ケース1
インターネットを使わずに1つの映像を遠隔地にある特定のディスプレイに表示したい

エンコーダーにカメラ、または動画再生のためのPC・メディアプレイヤーなどのソース機器を接続し、映像を特定のネットワーク経由で配信することで、リアルタイムで各拠点にて同じ映像を配信できます。
映像の視聴は、各拠点にて専用のデコーダーで受信し、デコーダーからディスプレイに表示します。
マルチディスプレイ/ビデオウォール表示も可能です。

ご相談ケース2
1つの映像を複数のモバイル端末で視聴したい

エンコーダーにカメラ、または動画再生のためのPC・メディアプレイヤーなどのソース機器を接続し、 エンコーダーからYouTubeライブなどのWebサービスに映像をアップロードします。アップロードされた映像は、スマートフォンやタブレットでWebサービスを通して視聴できます。
エンコーダーを使用することで、オリジナル映像のクオリティを視聴者に提供できます。

ご相談ケース3
複数の拠点間にて低遅延で映像伝送したい

低遅延対応のエンコーダー・デコーダーを採用することで、複数の拠点への配信であっても、低遅延伝送を行うことができます。

ストリーミング用語集

─ ビットレート(bps)

ビットレートとは、動画の1秒あたりのデータ量を示す値です。bps(bits per second)と表記されます。
ビットレートを下げると、基本的に画質は低下します。ネットワークの環境に応じて、画質とビットレートの折り合いをつける必要があります。

▼ ビットレート値を設定する

エンコーダー機器では、ビットレートを任意の数値に設定することが可能な機器が多くあります。直接ビットレートを変更して用途に適した画質が保たれるかを確認します。

▼ コーデックのプロファイルを変更する

ビットレートの高い順に、H.264にはHigh/Main/Baselineの3種、H.265にはMainStill/Main10/Mainの3種のプロファイルがあります。プロファイルを下げることでビットレートを抑えることが可能ですが、プロファイルを下げると画質が低下します。

─ コーデック

コーデックとは映像と音楽データの圧縮方式のことです。エンコーダーとデコーダーは同じコーデックで送受信をしないと、デコーダーで映像表示できません。広く普及しているのはH.264コーデックで、IPカメラでも使用されています。H.264より圧縮率が高く4Kで使用されているコーデックがH.265です。圧縮率が高いということは、低いビットレートでも画質の良いデータ送信ができることも意味します。

─ 配信プロトコル

映像伝送に適した形式を「ストリーミング・プロトコル」とよび、いくつかの種類があります。
配信する映像の数、表示するデバイスの数、ローカルエリアネットワークの規模、使用可能な帯域、メディアサーバーの使用可否など、ご用途に応じたストリーミングの種類を選択し、それに対応するエンコーダー・デコーダーを用意する必要があります。

─ RTP/RTSP【LAN】

音声や動画などのデータストリームのリアルタイム性に優れたストリーミングプロトコルです。インターネット上での動画や音声の放送型のリアルタイム配信システムや、ネットワークカメラ(Webカメラ/CCTV)からの映像データの受信・再生などに広く応用されています。
データ本体の伝送はRTPプロトコル(UDP)で行われます。RTSPは動画や音声の所在情報の伝達や、再生の開始・停止などの制御情報のやり取りを行うプロトコルです。


<最適なご用途>

視聴者が少ない監視カメラ配信、社内配信、校内配信

─ SRT【VPN/LAN】

Secure(安全) Reliable(確実) Transport(伝送)の略で、不安定な公衆インターネット回線でも高品質な映像を伝送することを目標に開発されたオープンソースの最新型伝送方式で、放送を含む映像配信系サービスにおいて採用が進んでいるプロトコルです。
送信と受信のどちらもバッファ(一時記憶域)をもち、受信側で喪失したデータがあった場合には再送信を送信側へ要求します。送信側はバッファ領域に保管されている喪失したデータを即座に受信側へ再送信することで、高い品質の映像を出力できます。また、データへタイムスタンプを付与してデータの再整列をするため、喪失したデータの挿し送信があってもタイムスタンプ通りにデータを整列しなおすといった処理を行うので、滑らかな映像を表示できます。


<最適なご用途>

ノイズの無い信頼性の高い配信を必要とする放送関連、エンターテイメント系、ライブ配信

─ HLS【LAN】

HLS(HTTPライブストリーミング)は、米国アップル(Apple)社が開発し、標準化されたプロトコルです。 配信側では、動画や音声を10秒ごとのMPEG-2 TS(Transport Stream)形式のファイルを分割して作成し、再生順などを記したプレイリスト形式のインデックスファイル(.m3u8ファイル)も合わせて作成します。
再生側では、まずインデックスを受信し、これに従って順番にファイルを要求し受信したものから再生します。連続的なデータの送受信では無く、プログレッシブなダウンロードの動作となります。
WebUIの使用で広く普及しているHTTPを使った通信をするため汎用性が高く大人数での視聴が可能である一方で、遅延時間が16~30秒発生してしまいます。

<最適なご用途>

一定の遅延が許容され、1つの映像を多人数に配信する授業、ライブ配信

─ RTMP【配信サーバー(YouTube、MicrosoftStreamなど)用途】

RTMPは、米国アドビ(Adobe)社がFlash(すでにサポート終了)での使用を想定して開発したプロトコルです。
TCPをベースとしているため、接続確認や再送信といった信頼性の高い配信でHTTPに比べて遅延が抑えられています。
RTMPはそのまま視聴はできず、メディアサーバーを介して視聴する必要があります。この為、RTMPはYouTubeやWowza社などのメディアサーバーへの送信用として用いられます。


<最適なご用途>

インターネットを介して配信サーバーから行うライブ配信

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