米国ニューヨーク・ブルックリンにあるライブ会場「Avant Gardner（アヴァント・ガードナ―）」において、Over IP変換・伝送器『Matrox ConvertIPシリーズ』が採用されました。アヴァント・ガードナーは、有名DJや音楽アーティストが出演するプレミアムなライブ会場として名を馳せています。2017年の開業以来、ライブ音楽イベントの注目の拠点となり、洗練された視覚・聴覚的体験を提供し、高度な技術を駆使した運営が行われています。
『ConvertIPシリーズ』導入の背景
アヴァント・ガードナ―では、質の高いライブ音楽パフォーマンスを提供しています。アーティストの90%が独自のコンテンツを持ち込み、その約半数が独自のハードウェアを使用するため、柔軟で強力な技術的セットアップが求められます。多様なコンテンツの管理には、高精度で高解像度のコンテンツ再生を実現できるメディアサーバーを活用しています。
また、IPネットワーク経由で非圧縮ビデオを伝送するために、SMPTE ST 2110規格を使用しています。これにより、ケーブルを減らし、コンテンツ管理における柔軟性を向上させるなど、大きなメリットがありました。
現在、この技術は屋外の大型LEDウォールに使用されており、今後は180度のビデオウォールを備えた屋内スペースにも拡張される予定です。
『ConvertIPシリーズ』の役割
『ConvertIPシリーズ』は、あらゆる環境でIP伝送への移行を可能にする柔軟性の高いOver IP変換・伝送器です。HDMI・SDI・HDBaseTの映像信号をSMPTE ST 2110・IPMX・JPEG-XS・Colibriなどに相互変換し、IP ネットワーク経由で送受信できます。
アヴァント・ガードナーにおいて、『ConvertIPシリーズ』は、会場内のネットワークを介して映像の入出力を管理するために重要な役割を果たしています。特に屋外の過酷な環境においても、メディアサーバーやその他の機器を簡単に配置でき、セットアップの複雑さを減少させることができました。また、Matrox Videoのサポートチームにより、ファームウェアやスイッチの互換性に関する技術的な課題も解決されました。
課題と取り組み
アヴァント・ガードナーでは、ST 2110技術と『ConvertIPシリーズ』を活用することで、音楽イベントにおける視覚的な体験を向上させ、技術的な柔軟性と効率性を実現しています。ただ、課題として、IT技術であるST 2110に関するスタッフのトレーニングは、従来の放送技術や映像技術の知識を持つ専門家には難しい部分がありました。そこでスタッフへの教育とトレーニングに投資し、この知識のギャップを埋め、スムーズな運用と高度な技術セットアップの維持を実現しています。競争の激しい音楽イベント市場において、最先端の技術を採用することで、アーティストや観客にとってのリーダー的存在としての地位を確立しています。
本導入事例は、『Sound & Video Contractor』に掲載された記事を元にしています。
Matrox ConvertIPシリーズについて
『ConvertIPシリーズ』はあらゆる環境でIP伝送への移行を可能にする柔軟性の高いOverIP変換・伝送シリーズです。HDMI・SDI・HDBaseTの映像信号をSMPTE ST 2110・IPMX・JPEG-XS・Colibriなどに相互変換し、IP ネットワーク経由で送受信できます。最大25Gbpsの接続をサポートし、SMPTE ST 2110を介した非圧縮4Kビデオの配信も可能です。
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